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東金市にお住いの股関節痛で悩む女性保育士さん

この方(仮に島田さんとします)は股関節痛で来院されました。同じく股関節に障害をお持ちの方からの紹介です。

股関節痛は女性に多い症状です。「先天性股関節脱臼」「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」など、先天的な要因が大きいのが特徴です。
中高年になって下半身の筋肉が落ちてくると痛みが出てきて、人工関節に置き換える手術をする場合もあります。

股関節に関しては遺伝的要素もあり、患者様のお母様も人工関節を入れていたり手術をしているケースが多いです。
幼少の頃よりそんなお母様の跛行(はこう:足を引きずる歩き方)や左右に揺れるような歩き方を見ていて、ご自分もそうなってしまうんじゃないかと日々不安に思われています。

島田さんもそうでした。

何とか手術をしないで済むように状態を良くしてあげたいと思います。

股関節には
屈曲しやすく、進展しにくい
外転しやすく、内転しにくい
内旋と外旋に関しては個人差がある
という特徴があります。

私が行う施術では、主に内旋と外旋に着目します。股関節にトラブルが起きるのは過内旋(内旋しすぎていること)、あるいは過外旋(外旋しすぎていること)の場合が多いです。
女性は過内旋が多いです。
⇒島田さんは過内旋でした。

まずは、ステータスの確認から
年齢: 47歳
性別: 女性
出産経験: 2回
職業: 保育士
身長: 150~155cm(目測)
体重: 50~60kg(目測)

体重は、「最近急激に増えました」という方は要注意です。体重の増加に太ももの筋力がついていかず、身体を支えきれていない分が腰やひざを痛める原因になるからです。
⇒島田さんは急激な体重増加はないそうです。

出産経験も重要です。妊娠期や出産時に股関節をおかしくするケースもあります。
⇒島田さんは産後の股関節の違和感はなかったそうです。

それでは問診内容です。
主訴: 右股関節痛
日常での不具合:正座ができない。屈伸ができない。階段を上りにくい。 
過去の手術経験: 5年前に左股関節を「寛骨臼移動術」という手術。
経緯: 5年前に左股関節が痛くなり整形外科にかかったところ、臼蓋形成不全との診断。
痛みがひどく仕事に影響していたので寛骨を切り、大腿骨頭の頂点を均等に覆うようにする寛骨臼移動術を行う。
手術により左股関節は問題なくなったが、3か月ほど前から今度は右股関節に手術前の左股関節と同じような痛みが出始める。
痛みが膝にまで広がり、屈伸や正座ができなくなった。このままひどくなれば、また手術かと憂鬱になっていた。

股関節検査と評価

仰向けになっての股関節可動域テスト
1.屈曲具合を確認するため:右膝を持ち右肩に向けて(同側)曲げていく=つまり感あり
2.内転具合を確認するため右膝を持ち左肩に向けて(対側)曲げていく=つまり感と痛みあり
3.外旋具合を確認するため:パトリック テスト(Faber Patrick Test)右足を、あぐらをかくように左膝の上に載せ、右側の上前腸骨棘と左膝をおさえ、広がり具合を確認=開きにくい

全ての検査に置いて陽性でした。状態としては良くないです。

股関節への施術

島田さんのようなケースで一番難しいのは、股関節の状態の見極めです。それは、筋肉の委縮もしくは緊張による硬直、あるいは関節の拘縮なのかです。
関節の拘縮まで進行していると最悪手術になるかもしれませんが、トラブルが筋肉の段階で止まっていれば手技療法で回復できます。

この見極めは触診で行います。股関節内旋外旋術で、島田さんと痛みの確認をしながら慎重に行いました。

もっとも肝心なのは内旋、あるいは外旋に誘導した際に島田さんが「痛い」と感じたらそれ以上は行わないことです。常に違和感がない範囲でかつどこまで可動をつけることができるかが大切になってきます。

施術後の再検査と評価

1.同側への屈曲=つまり感7~8割り方解消。可動も大幅に改善
2.対側への屈曲=つまり感5割程解消。可動も改善
3.パトリック テスト=可動改善。

施術後の本人の感想としては「脚のあがりがよくなった」とのこと。

一回目の施術では合格点が出たと思います。

基本的に股関節が内旋しやすい癖があるので日常での過ごし方を指導し、次回1週間後の予約をして帰ってもらいました。

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